2005 年04 月11 日
金箔押し
親方が箔押しの工程に入っています。上塗りや箔押し等の工程のとき、
私はなるべく親方の作業部屋には近寄りません。
緊張と集中の空気を乱さないためです。
うちは金箔の主材を縁付箔五毛色を使っています。
これは伝統的な手打の最高級金箔です。
昔まだ親方が弟子だったころ
金箔押しで失敗すると師匠から
「また、中瓶一本!」
と怒鳴られプレッシャーを掛けられたといいます。
一枚の失敗が、ビール中瓶を割るのと同じだという意味ですね。
酒好きの職人衆の間では大変効果的な言葉だったんでしょう。
親方はそんな縁付五毛色箔を、
さらに天然の漆で接着することにこだわる。
(漆は乾き具合の見極めが難しく、専用接着剤が一般的)
しかし、金箔の種類や塗技法、木地、国産天然漆など
一般の人には伝わりにくいところを敢てこだわる人なので
ものづくりの職人さんなど、解かる人には信頼されるています。
投稿者:与五朗(よご)at 10 :48| 伝統工芸 | コメント(0 ) | トラックバック(0 )